冒険ものづくりカンパニーミチ・コーポレーション

ミチ・コーポレーション

 

「ぞうさん緑化マット」・・・動物園にいる「ゾウ」に、お役所的なエコキーワード「緑化」、そしてどこにでもありそうな「マット」。このイメージしがたい「ぞうさん緑化マット」、とある展示会でこの商品に出合い魅せられたインテリア情報サイト・矢野編集長が、製造元の「ミチ・コーポレーション」の代表・植田紘栄志(うえだひさし)さんに、会いに行きました。

ミチ・コーポレーション「いったいどんな会社だろう?」そんな疑問を抱きながら訪れた、西東京市にあるミチ・コーポレーションのオフィス。真っ先に出迎えてくれたのは、インパクト大の「緑Car(りょっかー)」でした。クルマのワイルドな絵柄に圧倒されながらオフィスの階段を上ると、そこは雑貨系セレクトショップとオシャレ男子の部屋を融合させたような、オフィスらしからぬ空間でした。

 「ぞうさん緑化マットは、もともと『ぞうさんペーパー』から始まった商品なんです」と植田さん。「ぞうさんペーパー」とは、ゾウのうんちをリサイクルして作られた紙のこと。「この紙で作ったスクラップブックや絵本は、全国の動物園で扱ってもらっています」お得先が動物園とは、なんともユニーク。実はこの「ぞうさんペーパー」、BBCワールドとニューズウィーク誌が主催する世界的コンテスト「BBCワールドチャレンジ2006」でグランプリを獲得したこともあるという商品です。「でも、『ぞうさんペーパー』だけではやっていけないから、商品を増やそうということで、食品も始めたんです」と、語る植田さん。


ミチ・コーポレーション

 

「リサイクルビジネス」というキーワードから連想する、お堅い生真面目さとはすこし異なった、気負いのない植田さんから聞いた次の展開「食品」とは、オーガニック紅茶・マンゴーの瓶詰め・ココナッツミルクの缶詰などでした。「紅茶の木箱は、間伐材を使っています。紅茶を栽培する時にお茶の木の間に植える防風用の木を利用しているんです。木箱のラベルは、スリランカで発掘したアーティストが制作した版画のイラスト。すべて自分たちでコーディネートしています」。他にも、「食べても大丈夫」という天然素材のパステルや、皮のジャケット・ブーツ、シャツなど、ミチ・コーポレーションの取扱アイテムは、500品目に上ります。

 

ミチ・コーポレーション

 

ミチ・コーポレーション「衣食住全般を扱って、自分たちで〈作る・売る・発信する〉ビジネスを展開していきたいんです」と、植田さん。「自分たちは、〈メーカー的〉でありたいと思っています。商品の原材料は、金額ではなく素材重視。そして、どの商品もそうなのですが、卸業者などを入れずに直接取引しています」。植田さんの言葉を借りれば「(商品の製作において)汗水流す人以外は、存在しない」という正直なビジネス。「そうすることで、お互いにリスペクトを持つことができ、クリエイティブな雰囲気が生まれます」。

サンプルを大量に配布するなど、“商売のための商売”はしたくないという植田さん。「僕たちの商品は、『自然の素材を伝統的な製法で作る』ということが基本です。コストは高いですが、商品を適正価格で扱います」。安価な商品を大量に売りさばくビジネスが主流のこの時代にあって、素材と製法を守り、適正価格を守ることで、価格競争から距離を置き、自分たちの創造性と柔軟性をキープする、ミチ・コーポレーション。「そのためには、商品にまつわるストーリーをいかに伝えていくかが重要になってきます」。そんな理由から、インターネットTVや絵本、植田さんのラジオ出演など、自ら発信することも積極的に展開しています。

 

 次回は、ユニークでありながらビジネスにおいて対等関係を保ち、自分たちのアイデアやクリエイティヴィティを大切にするミチ・コーポレーションの代表、植田紘栄志さんの人物像に迫ります。

 

公式HP http://www.michi-corp.com/

 

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(文:宮内 有美  /  更新日:2011.03.20)

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