玄関で靴を脱ぎ清潔さを切り替える日本の生活習慣の中で、
レストルームから新たな生活美学が育ち始めるかもしれません。
ハイテク装置と化した便器はすでに床にはなく、壁に固定され、床に水平に張り出します。また、窓の密閉性や機能、ガラスの性能の向上により、空気や光の制御、そして視界の演出は、これまでの常識から一歩進んだ心地よさへと人間の感覚を導いてくれそうです。「家」というよりも、緻密・繊細な感受性が育む、住空間の新たなボキャブラリーが誕生しました。
TOTO・YKK AP
2002年、TOTO・DAIKEN・YKK AP(TDY)の3社がリモデル分野で業務提携し、住宅設備・建材メーカーの連携による最適空間の提案を進め、2008年からは、環境という視点を加えた「グリーンリモデル」というコンセプトを提唱している。「健康配慮」「長もち住宅」「CO2削減」の3つのテーマを中心に、ライフスタイルやライフステージにあった長期的な視点で住まい環境づくりを提案する。
成瀬・猪熊建築設計事務所
成瀬友梨
Yuri NA RUSE
建築家・東京大学助教
猪熊 純
Jun INOKUMA
建築家・首都大学東京助教
2007年成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。「場所のシェア」をコンセプトとした作品に「りくカフェ」、「the scape (R)」、「FabCafe」など。INTERNATIONAL ARCHITECTURE AWARDS 2009、DESIGN FOR ASIA AWARDS 2009、Colors Designer International Competition 2008 Special Mentions、WORLD Space Creators Awards 大賞など受賞多数。
未来のレストルームはこれまでの常識から一歩進んだ心地よさで、極上の感受性が磨かれる場所になりました。温座トイレを開発したTOTOの新たな生活美学をみることができます。
(文:KEIKO YANO (矢野 恵子) / 更新日:2013.03.14)